片づけ・生前整理・防災。
人生最期はドヤ顔で!
暮らしの道案内人 馬野邦枝です。

先日、生前整理の認定講座で、受講生さんからこんな相談を受けました。
「実家の写真、整理したいんですけど、全然手がつけられなくて……。おばあちゃんの親の写真から、両親、自分、子どもの写真まで、気づけば5世代分くらいがアルバムに詰まっているんです」

(写真はイメージです)
おばあちゃんの親の世代から今の子どもまで、5世代ともなると、量だけでも気が遠くなりますよね。
話を聞きながら、きっと同じように悩んでいる方は多いだろうなと感じました。
実家に限らず、自分の家にも、同じように手がつけられていないアルバムがある方は多いのではないでしょうか。
写真の整理は、モノの片づけよりも難しい
写真やアルバムの整理は、普通の片づけよりもずっと時間がかかります。
理由は、ひとつひとつに思い出が詰まっているから。
もう会えない人が写っている写真もありますし、家族の歴史が混ざっていると「これは手放したらいけない気がする」と、手が止まってしまいます。
講座で「写真の整理=心の整理」とお伝えすると、受講生さんは「ん?……」と少し首をかしげました。
実は、生前整理の写真整理は、モノの整理でもあり心の整理でもあります。
しかも、モノの中でも最難関。
モノは「いる」「いらない」で比較的早く判断できても、写真は一枚ごとに気持ちが動くので、心の整理に時間がかかるのは当然なんです。
写真の値打ちは、見た瞬間にその時の自分へ戻れること。
まるでタイムカプセルのように、記憶と気持ちをそのまま閉じ込めているのが写真です。
だからこそ、何年経っても、見返すだけで当時の空気や気持ちがよみがえるんです。
だからこそ、「とりあえず全部残す」でも「思いきって全部手放す」でもなく、向き合うための順番と視点が必要になります。
モノの片づけが終わってから、写真に手をつける
写真整理には、順番があります。
まずはモノの片づけを先に終わらせること。
なぜなら、写真を見始めると、つい見入ってしまって、そこで時間が止まってしまうから。
思い当たる方、多いのではないでしょうか?😊
片づけの講座でお伝えしている「いる」「いらない」「迷い」「移動(思い出)」の4つの分け方のうち、写真はまさに「移動(思い出)」の箱に入れるもの。
「移動」には2つの意味があって、ひとつはほかの部屋で使うもの、もうひとつが思い出につながるもの。
普段使うモノとは分けて、ひとまず思い出箱にまとめておく。
そして、ほかのモノの片づけが一段落してから、ゆっくり向き合えばいいんです。
焦って写真に手をつけると、結局そこで時間切れになって、肝心のモノの片づけが進まないまま終わってしまう……というのも、よくあるパターンです。
順番を守るだけで、片づけ全体がぐっと進みやすくなります。
写真を選ぶ基準は「量」ではなく「想い」
いざ写真に向き合うとき、迷うのは「どれを残して、どれを手放すか」。
ここで基準にしてほしいのは、枚数ではなく「想い」です。
・笑顔の写真を中心に選ぶ
・その人らしさを感じる一枚を残す
・思い出話ができる写真を未来に託す
どれも、枚数を減らすための基準ではなく、心に残る一枚に出会うための基準です。
この視点で見ていくと、「これは残したい」「これはもう手放せるかも」と、自然と心の整理も進んでいきます。
写真整理は、モノを減らす作業ではなく、自分や家族の人生を見つめ直す時間。
そうして選んだ一枚一枚が、思い出を未来へつなぐ一歩になります。

(写真はイメージです)
選んだ写真は、ミニアルバムに
選んだ写真は、元のアルバムに戻さず、ミニアルバムにまとめるのがおすすめです。
分厚いアルバムが何冊もあるより、大切な写真だけの1冊のほうが、ずっと気軽に見返せます。
実はこのミニアルバム、作り方にちょっとしたコツがあって、それだけで講座がひとつできるくらい奥が深いんです。
そのお話は、またいつか😊

アルバムを何冊もまるごと持ち出すのは、災害のときには難しいもの。
でも、厳選したミニアルバム1冊なら、玄関の防災リュックのそばに置いておくこともできます。
片づけは、生前整理にも、防災にも、こうしてつながっています。
今日からできること
実家のアルバム、何世代分もため込んでいませんか。
全部を一気に片づけようとしなくて大丈夫です。
まずは1冊、1ページだけでもかまいません。
「これは残したい」と思う1枚を、選んでみてください。
ごちゃごちゃ考えるより、手を動かして一つから。
その1枚が、ミニアルバムへの最初の一歩になります。
もし今、実家や自宅のアルバムを前に「どうしたらいいかわからない」と感じているなら、まずは一度、見返してみてください。
きっとあなたにも、「残したい写真」が見えてくるはずです。
人生最期はドヤ顔で!
今日、実家や自宅のアルバムを、少しだけのぞいてみませんか。

